アーカイブ: 6月 2006

2006/06/28

Permalink 13:56:29, カテゴリ: 雑談(Hard)  

エリック・シュローサー「ファーストフードが世界を食い尽くす」(草思社)

今年のカンヌ映画祭に出品された"Fast Food Nation"の原著です。出版は2001年。調べてみると、アメリカの大学では結構課題図書として使われていたようです。

業界の寡占化が日本でも、国際的にも進んでいますが、それが必ずしも個人の利益になるのかどうか、と言う問題。それに伴い社会責任を果たしているのかどうか、ということを考えて、消費行動を起こす意味を考えるに契機として良いと感じました。

しかし東横イン問題にしても消費者行動を見るに影響がなかったようになっている現状を考えれば、日本でもアメリカのこの傾向は進むのかも知れません。

それとも欧州にも学ぶ姿勢がこの国にあるかどうかですね。
amazonで「119円+送料340円」で購入。

ベースラインは以下の通り(すべてアメリカの話)。

マクドナルドに論点を置いたコスト重視による低年齢・低賃金労働・組合潰しの実態。また、フランチャイズ制度の企業の宣伝と異なり、閉鎖した店舗を除外して検討していること。そのため実際には独立店を開店した方が、潰れる可能性も少ないし、利益も上がる。またロビイング活動を行い、最低賃金の上昇を食い止め、牛肉の検査態勢強化を防ぐ。

精肉業界についても寡占化が進み、その結果売上げに対する農家の手取りの減少・カルテル的な出荷価格拘束。そのため集約的生産を促進し、結果として現在では禁止された肉骨粉の使用、そして禁止されておらず現在でも意図的に行われている家畜の血液の飼料混入。寝床の藁を飼料としての再使用、糞便の飼料としての再使用(94年にアーカンソー州だけで1400トンの鶏糞が飼料とし牛の餌になる)など、O-157の発生しやすい状況を作る。

精肉自体もコスト重視で移民による長時間労働に依存、加えて効率化ということで、処理を非人間的に高速化。結果として畜肉に糞便等が混入するケースがあり、アメリカでは一般的に便器より台所の方が糞便由来の雑菌が多いという調査結果があり、「便器に落ちた野菜スティックの方が、台所のシンクに落ちたそれを食べるより衛生的」という問題があるということ。ファーストフード業界用には業界内で93年に事件があったため、厳しくなっているが、一般向けはそうではない、という事実も。

96年の農務省のデータでは加工工場で採取された挽肉サンプルの内、サルモネラ菌に汚染されていたものが7.5%、リステリア・モノサイトゲネス11.7%、黄色ブドウ球菌30%、ウェルシュ菌53.3%。挽肉の78.6%が主に糞便による細菌で汚染されていた事実を提示している。実際、93-00年の間にアメリカでは50万人が0-157で発病、数百人が死亡しているという。更にはアメリカ農務省と食肉業界はこのような事実に「放射線照射」で殺菌しようというアイデアすら持っているという。また、クリントン政権下でこの種の検査を厳しくしようとしたが、94年に共和党が議会で多数を占めると、大幅に後退することになったことが指摘されている。

とは言え、逆説的なケースの提示もしており、ファーストフード自体を否定してはいません。93年に事件の当事者となったJack In The BoxはHACCPを導入し、全ての精肉を15分毎に検査するようにシステムを変更し、それに適合する精肉会社のみから納入を受け、業界の反感を買ったという。それで増えたコストは500g当たり1セントに過ぎない。
Link >Jack In The Box

また、In-N-Outのケースを提示している。時間雇用の従業員の給与は平均$8/時間以上(マクドナルドはほとんどの場合最低賃金の$5強)、店長は$8万/年を超える。シェイクもシロップからではなくアイスクリームから、新鮮な冷凍されていないパティを使うが、価格はそれほど高くはない。(2002年で1/4ポンド2パティのハンバーガーが$2.99)
Link >In-N-Out Burger

要するに「それがどこから来ているか」を考えた消費者の選択が重要だ、ということを示している。

2006/06/20

Permalink 11:23:07, カテゴリ: 政治・経済  

政府、児童手当・出産一時金引き上げの愚かさ。

今日政府は来年度予算策定時に少子化対策として、3歳未満への児童手当の拡大、妊娠中の検診費用の負担軽減など乳幼児の経済支援を柱とした対策を決定したそうな。(参照>産経<)

この国の政府は本当に必要なものが何かを忘れているようだ。例えば読売の>女性発FPワンポイントレッスン<や、ソニー生命などのサイトに記載があるが、児童手当は大学入学時などの費用に充当するのが適切とアドバイスしている。要するに本当にお金がかかって苦労するのは、出産時はもとより子供が高校~大学に進学するときである。

しかしながら、政府はこれらの助成金を縮小した結果授業料は現在、例えば関西の庶民的な大学で知られる関西大学で初年度109万7千円、以後も89.2~98.2万円が毎年必要になる。ちなみに15年ほど前は52万円ほどだから、2倍に増えている。国立大学も53.5万円の年間授業料。15年前の1.8倍。この間GDPは約1.1倍にしかなっていない。

要するに本当に必要なのは、15歳~22歳の学費補助と、出産のための援助(育児のための収入減を含む)の2点でしかない。なのにだらだらと支払うのに何の理由があるのだろう。

こんな小手先の方策で少子化に歯止めすらかかるまい、と思うのだけどもね。

2006/06/16

Permalink 18:43:03, カテゴリ: 雑談(Hard)  

福井日銀総裁、「村上」で1,200万以上の利益…何が問題だ?

福井俊彦日銀総裁は、「村上ファンド」に投資した1,000万円が問題になっている。それも今日の論調は「巨額の利益」を挙げたことが問題と話題の主題が変わっているようだ。

でも「何が問題」なんだろうか?

テレビ朝日は恐らく1,200万程度の利益と伝えているが、7年位でそれ位になったことが今までの報道から推測される。中日新聞などは「年数十%の利益」が批判にさらされるだろうとくくっている。

でもファンドの意味って判っているのだろうか。これだから日本の投資はいつまで経っても「投機的」格付しか社会的に得られないのではないか。ファンドはリスクを負っていることを忘れている。それを受けて「勝ったこと」に文句を言うのは、それこそ筋違いだろう。それをいうならパチンコ産業はもっと批判されるべきだ。

設立当初の現MACアセットが成功するなど、誰にも判らなかった筈だ。それが大きくなるにつれて変質した。その結果口先介入で自己の利益を拡大させようとした。それが法律的に問題になった。その責任を投資家は運用方針について詳細に伝えられないのに、どう判断しろというのだろうか? また今年1月には「4753」問題にて、「その筋」では関連し立件されることが噂されていたという。だけどその時点で引き上げていたら、それこそインサイダーである。

ただ問題があるとすれば、そのような職にある人間が、どのような投資姿勢を持たなければならないかということだろう。金融の要職にある人間は「新たな投資や現在の投資の中止を行ってはならない」のか、「一定比率以下であれば良い」のか、社会的なコンセンサスがないし、増してやこのような反応をする「メディアやそれに反応する国民」がいる限り、出来よう筈もない。

問題点は、MACアセットの法律に対する回避的「かつ騎士道※に準じない」行動、「寛容さのない」短期的な資本力の行使、そして「彼」にそのような行動をさせた人間がいるのか、それが誰かという問題ではないだろうか。

民主党はこの福井総裁の問題を追及するというが、それもまた上記のような理由で不寛容であり、その結果、日本に資本が貯まらない状況を産むことになることが判っていない。お願いだ、そんなことは「してくれるな。」

同時に日本経済新聞では、最近の「投資家」の行動が短期的利益のみを追求し、長期的投資などに理解を示さないため、自己の株式を買い付ける等して、上場廃止に持込む会社が出始めていることを特集で伝え、それを「不寛容な資本」と名付けている。デイトレーダーもそうだろう。しかしまた、小生はこれの何が悪いのかを考えない人たちは、「資本に不寛容」であると思う。どちらも問題だ。

社会の成熟・厚みをどのように築くべきか、ということを考えれば、何が正しいのかは明確ではないか、と思うのだけどね。だからアメリカでデイトレーダーで稼いでも社会的にもてはやされることはないのだろう。「そのような品格」であるなら「分をわきまえないといけない」社会だから。寛容でないものは社会からも寛容には扱ってもらない、それは当然のことだと思う。その責任は取らなきゃいけないのかも知れないね。

※ 株式の大量保有のルールやTOBのルールは、簡単に言えば「決闘する時は手袋を投げつける」必要があるということで、基本的には騎士道ルールであると考えれば公正であると考えている。まあ、武士道でもいいけど…。

#22:57部分的に修正

2006/06/14

Permalink 15:14:17, カテゴリ: 政治・経済  

少子化から起こった残業を巡る新法制

昨日厚生労働省が労働政策委員会に示した素案がニュースになっています。素案の内容自体が編集されているケースが多いのですが、内容は「続きを読む」以降に別掲した内容の通りとのこと。

そもそも、家を顧みず仕事をさせることが問題だという観点から、少子化問題への対策という側面も絡め提出されたようです。でも、実施できるかどうかについての問題もいくつか。

例えば、持ち帰り残業。実は小生は今日休暇をいただいているのですが、結局半日はユーザー対応、クライアント対応で仕事をしていたりします。仕事とオフの区別がない人ってどうすればいいの?って感じで、この場合、みなし労働にカウントしたりはしないですよね?

またここでは月30時間以上の残業は「50%増」としていますが、一部業界のようにボーナス比率が年収の1/3を超えるケースでは、ボーナスは残業に左右されないので、労働の「単位コスト」は残業分の方が安いってわかってるんですかね。

賞与年6月、1ヶ月分の労働時間相当分を残業した場合
・割増率50%時、超過労働分に対する残業代は1.5ヶ月分。
・ボーナスを生活給の一部と考えれば、実際には毎月の通常勤務分に支払われているのは1.5ヶ月分。
上記の2つの「通常分」と「超過分」の同じ量の労働に支払われる対価は同じとなる。

その他にも実は、現行法制で、一定残業代を手当で払っているとしている給与体系を取る事を現行法制では認めているんです。ただ、それを何時間まで「込み」にできるのかなんて、現状でも一切定義がないですから。一応の労働法の制限である月45時間という「頭打ち基準」はあるんですけどね。

あと、かなり前に書いた>ホワイトカラー・エグゼンプション<(経団連が求めている、年収400万以上であれば一律に「裁量労働制」として残業代を払わないでいいとする方式)問題もまだ続いているのだけど、これとの調整はどうするのか、全く判らないですよね。あえて言えば「労働時間法制」の5項目にチラッと書いているだけ。アメリカじゃ具体的な部下の数での規制もあるのですが、日本じゃ年収だけを基準にしようとしているし。それに「裁量労働」にしたら、極論だけど出勤・退勤時間も自由にしてくれなきゃね。そんなことは考えちゃいないだろうし。

恣意的な運用で、都合良くできるシステムなんてのができあがるとまずいことになりますので、この問題の成り行きを見据える必要がありますね。どこかのチーム同様、相手の「枠内」にしっかり脅威を与えて欲しいものです。

2006/06/12

Permalink 04:33:04, カテゴリ: 政治・経済  

税収は5兆円上触れ・医療改革に消極…は報道されず。

改革を訴える政党というのはこういうもので、それを追認して、そのときの話題にしか触れないメディアというのはこういうものだ、ということを知っておく必要がある。

本日(2006/6/12)の日経「財政 経済が問う」の事。

なんだかんだ言って、まず増税ありき、負担増ありきのシナリオがあることが、財政に影響を与えていることを示している。2005年度の税収は当初予算より3兆円上に修正したのが年末。それを実際にはそれを更に2兆円上回りそうだという。また2011年には20兆円税収不足と訴えていたが、当初内閣府の計算では15兆円。何故5兆円も増えたのか疑問を呈している。

恐らくこれらは、消費税の増税を早期に実現するために作ったシナリオなのではないかと思う。それを何年かけて国民に浸透させ、小泉さんの政権下では「宣伝期間」として「任期中は消費税を上げない」としたに過ぎないように思う。

また、ある自民党幹部がサービス産業の生産性を高めるという一方、「それでは医療の規制緩和は」と言えばだんまりを決め込む。医療費が25兆円。現在水準が続けば2025年には56兆円という宣伝を行っているが、その対策が「ジェネリック医薬品の普及」だけしか具体化しない理由は、日本医師会だけを向いて国民を見ない政権与党のモノの考え方を示してはいないか。

もちろんジェネリックの普及は必要だが、現在でも医療費の20%(*)でしかなく、またジェネリックの普及しても、全体の10%も減りはしないだろう、またおそらく国内製薬産業の競争激化に伴う統廃合をさらに進めることの影響、対抗策を考えておらず、机の上のことを計算したに過ぎず、「全てに痛みのある公平な改革」ではない。

ワールドカップや村上ファンドなどの些末な報道に隠れて、この国の国民生活の根幹に係わる財政問題・経済問題が伝えられない。このことを意味と、実際政府与党がOSのバージョンアップをせず、いつまでもパッチを当てているだけで、それも自分達の権益を考えた名前だけの「パッチ」と言う名の改革を続けていることを見逃してはいけない、と思う。

経済を訴求する新聞だけの事はあると思う。
どっかの名前だけの「ビジネスアイ」とは違って。

*参考資料(薬剤費の医療費に対する比率)
OECD2003年データ(pdf)
(↑処方薬剤と非処方薬剤の分類も分かる。処方薬は70%程度。個人経済にとっては売薬のジェネリックの価格低下が置き去りにされている側面も考えなければならない)

製薬ナビ(1994~2003年)

2006/06/06

Permalink 18:27:34, カテゴリ: 雑談(Hard)  

駐車監視員に権限はない筈…だが。

今日の昼下がり。大阪市北区・天満警察署館内。
駐車監視員が4人、ごちゃごちゃ話をしています。
さて、下の写真をご覧ください。

駐車監視員には、交通反則切符処理や違反金徴収の権限を持たせないものの、「みなし公務員」として守秘義務が課されている。特定の人の違反を見逃したり、見返りに金品を受け取ったりすれば、偽造公文書作成や収賄の対象となり、法令順守を求めている。

ええ、手前のバイクには、標章を貼らず、「見逃しています」。
これに限らず、原付、自動二輪は全て「見逃し」。
これは特定の車両を見逃していますよね?天満署さん。

ちなみに委託を受けているのが…(財)大阪府交通安全協会
さあ、誰がOBを検挙するのか、見守りたいと思います。

2006/06/03

Permalink 20:37:36, カテゴリ: 雑談(Hard)  

80年代のアメリカと、00年代の日本。


1980年代のアメリカの楽曲にシンパシーを感じるのは、今の日本の状況が当時のアメリカの状況と似ているから、という意見をどこかで見たような気がします。そう言えば長期保守政権が何故か予想外の熱狂で始まって、当初予想外の長期政権になったという時代。みんな豊かという意識から、「区別」がされ始めた時代。

Don Henley "The End Of The Innocent"が世に出たのは、それが終わりかけの1988年。大統領選の直前。PVに上記のようなシーンがありますが、"Since Daddy had a lie"という台詞と被っています。実際にはこの後1期のみにレーガン政権を引き継いだ形の父ブッシュ政権、そして2期のクリントン政権と続く訳です。1980年大統領戦の彼のキャッチフレーズ、「The Time Is Now」が付いたポスターが破れている。「改革は今」。実際にどうだったか。どこかの国でも同じようなことが。

よく考えてみると、ポスターの構図も同じ。「日本の政党」がアメリカの戦術・戦略を踏襲していることが良く分ります。また今、彼の「改革」が本当のものだったかが問われています。支持率は低下傾向。時期的にもアメリカの18年前と符合する点が多いのです。一端底を嘗めて、国民の間に「区別」をすることによって、マクロ的に「は」経済を良くし所得層毎の差をより明確にしてしまう政策まで同じじゃないですか。

郵政民営化と言っても、昨日の道交法改正について、配送業の内、郵政公社のみ指導員制度の適用除外であることを見ても明らか。至る所に実質改革でないところが出ています。あまつさえ「共謀法」を民主党案で通して、後に改正手続きを踏めば「国民には分らないだろう」的な反応はどうしたものか。なにの「通さないとはどういうことだ」という論説を貼る「報道ステーション」なんて一体この国をどうしたいのかと思った次第。批准重視というけど、民主党案では批准できないと未だに言っている自民党議員がいるのをお忘れかと。

琴線を踏んだ「村上ファンド」で共謀法可決をごまかそうとしたかのような全紙へのリークなど、やりたい放題。結局審議しなかった民主党は評価せざるを得ないとも思うんだけどね。

で、このツケを払うのは国民というのも同じ。結局アメリカはクリントン政権の政策によるIT政策等で経済的に息を吹き返すわけですが、民主党にそのような政策ができるのか。そこが一番大事だと、時代も教えているような気がする「妙な一致」です。

そしてその実質のないプロパガンダの方法とともに、思い起こさないと、日本も「(日本自らが今後生み出す)テロとの戦い」に加わらないといけないのかも知れません。

6月 2006
  現在 > >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

Blog @ Wolfy -Side B-

2008/7/15を以て、wolfy.us -重い話-に移転しました

ここでは2006/5 -2008/7/15のエントリーがご覧いただけます。

携帯からご覧になる方は>こちら<(Side B 用URL - 画像なし)

メールでのお問い合わせ、ご連絡は>ここ<に掲載しております。トラックバック希望、コメント不受理で掲載希望の場合も内容を上記アドレスまでお送りください。このメールアドレスへのメールについては個人情報の保護を行いますが、「非公開」と明示されない限り、当方にハンドル名およびメール内容の取扱等権利を全て委託したものとします。>取扱規程

本BlogではTB・コメントは契約です。著作権の2次利用を除く使用権・編集権の一切をご提供いただき、代償として個人情報の保護を行います。但し広告に類する行為(1/3以上が広告・誘引である)と当方が判断した場合は、広告費用に対する債務、調査権の行使に同意したものと見なします。

サイドバーの月別の過去ログ件数表示に誤りがあります。「続き」をクリックしてください。正しいものが表示されます。

推奨フォントは「メイリオKE Pゴシック」ないし「UIゴシック」です。Googleで探してみてください…

検索

カテゴリ

いろいろ

このブログの配信

XML What is this?

powered by
b2evolution