投稿の詳細: タミフル雑感(3):一般薬部門売却の影響。

2007/03/28

Permalink 16:39:51, カテゴリ: Dr. and the medics  

タミフル雑感(3):一般薬部門売却の影響。

まず、小生は中外製薬の肩を一切持つつもりがないことをお伝えしたい。そして、また発生している「雪崩のような」思考停止に伴う世論の崩落を懸念しているということをお伝えしたいと思います。

関連>3/27 タミフル雑感(2)

今日の>毎日新聞速報
意図的に文末に全文まま掲載します。

理由は明白。
恐らく取材されている医師の話もそれを示唆していながら、新聞社が意図的に取り上げていないことが想像に易いから。

昨年だけで年間800万人もの患者に投与された抗インフルエンザ薬。その内「タミフル」(中外)は日本だけで770万人、「リレンザ」(グラクソ・スミスクライン)は30万人に処方されたと言います。

さて、問題。この被験者のケースは何万分の1でしょう。ということが大事です。
可能性を示唆するという意味では重要なケースですが、これを持ってそうと言い切ることはできません。これを持ってもしそうと言い切ることが出来るなら、まだ「あるある大辞典Ⅱ」の納豆でやせる、という方が確証が高いのです。理由は 1)複数症例で検討している。 2)対照比較群が存在する。

薬剤の薬効・有害事象というのはあくまでも統計的に解析されないといけませんので、「数千万人が服用して出た有害事象数」と「飲めば必ず出る」ということとの間には相関性は全くないのです。ただ、この1例報告を大きく取り上げる理由があるとすれば…

単純に言えるのは、この企業が一般メディアに広告宣伝を行う必要がない外資企業だからです。

中外製薬はご存じない方もいらっしゃるかとは思いますが、スイスのロシュという会社に買収されて、現在では事実系外資企業です。また、「グロンサン」などの一般用ヘルスケア製品を持っていましたが、実は2年ほど前に「ライオン」に売却済で、今や大衆薬、医薬品部外品のない、処方薬のみの会社と言って良い会社です。

つまり、広告代理店やテレビ・新聞に金を落とす額が猛烈に減っている企業なのです。

一方、グラクソ・スミスクラインは、旧スミスクラインの一般薬群をもっており、広告でも見慣れた「コンタック」「アクアフレッシュ」「シュミテクト」等は全てこれら会社の製品です。つまり広告費も大量に流れています。

また、実際にはグラクソ・スミスクラインも公表している事実ですが、吸入剤であり、全身移行性が少ないと思われる薬剤であるにもかかわらず、同社の「リレンザ」にも飛び降り事案には至っていませんが「室内を走り回る」等の有害事象が発生していることが公表されています。しかしこれらは報道されず、結果として医療機関は「リレンザ」の発注を集中的に行い、770:30の市場シェアが崩れ、5月まで製品供給が難しい状況になっているとのこと。

「リレンザ」にもそういうことがあることを報道していないのは、少なくともアンフェアな筈なのですが、一切ありません。どうしてでしょう?

そういうことをニュースを目にするときに考えていただければ、冷静な判断ができると思います。

その上で下のニュースをご覧ください。

インフルエンザ治療薬「タミフル」服用後に家を飛び出そうとするなどの異常行動を起こした女児が、その後の検査で、インフルエンザではないとの結果が出たことが28日、分かった。こうした患者が明らかになるのは初めて。タミフル服用後の異常行動の原因はインフルエンザ脳症ではないかとの指摘があるが、タミフルの影響を示す例として注目されそうだ。女児を診療した都立八王子小児病院の久保田雅也医長(小児神経)が、タミフルの輸入販売元の中外製薬に報告した。

女児は9歳だった昨年3月、近くの開業医を受診した。39度の発熱で風邪と診断されたが、家族の要望でタミフルや解熱剤などを処方された。

その日の夜、女児はタミフルを服用した後に就寝したが、2、3時間後に目覚め、叫んで家の外へ飛び出そうとした。家族が体を押さえ、異常は5分ほどでおさまった。

約1時間後に同小児病院を受診、久保田医長が診察したところ、意識は清明で、受け答えも正常だった。インフルエンザの迅速診断キットで検査したが、結果は陰性だった。さらに、のどの粘液と血液を採取し、東京都健康安全研究センターに検査を依頼したが、インフルエンザウイルスは検出されなかった。

久保田医長によると、小児病院受診時の女児の体温は36.8度。異常行動から約1時間で熱が急に下がるとは考えにくく、原因が高熱だった可能性は薄いという。てんかん発作が原因とも考えられるが、1年後の今もてんかんの症状はなく、女児はてんかんではないとみられる。

このため、久保田医長は「女児の異常行動は、タミフルの影響ではないか」と指摘する。一方で「タミフル発売前にインフルエンザで39度の熱を出し、2階から飛び降りた男子小学生も知っている。タミフルで起きる異常行動と、インフルエンザで起きる異常行動の両方があるのではないか。少なくとも、インフルエンザと診断されないのにタミフルを服用するのは避けてほしい」と話している。【高木昭午】

▽山本英彦・大阪赤十字病院救急部長(小児科)の話 この女児は、インフルエンザではなく、タミフルのために異常行動が起きた疑いが濃い例だと考える。タミフル服用後の異常行動で、インフルエンザウイルス不在との検査結果が出た例は初めてで、重要性は高い。

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コメント: すえよし [訪問者] メール
そういやマルピーと住友製薬もそれぞれ興和と大日本除虫菊に身売りしましたし、藤沢+山之内も第一三共に身売りしましたなぁ...

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from wolfy on 2007/3/28 17:28

まあ、内資は天…(以下自粛)
今度から政府機関にも斡旋してもらえるようで…(失笑)
利権が省から政府に集中するようです XX(
永続的リンク 2007/03/28 @ 17:19
コメント: Teru [訪問者] メール
Li-Ionバッテリが燃えた時の、特定企業名名指し騒ぎを彷彿とさせますね。

可燃物からエネルギーを得ている点では、タバコ用ライターとて同じなのですが、どうもリスクと共に生きる、継続判断に堪えられないメディアと受け手が少なくないので。

あの時の「出る出る」の、企業イメージ擦り付けは素早かった・・・よくある製造国性悪説にすらならなかったのは、いかにイメージで売り買い使用されているかの逆証明なのでしょうね、残念ながら。

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from wolfy on 2007/3/28 17:44

あれも酷かったですね。最終的にはソニー製セルに行き着いたので、メディア報道がうやむやになったのも思い起こされます。アメリカではブログか何かで、大阪国際展示場で燃えたのが伝えられて大騒ぎになったんでしたよね…。そういう意味ではアメリカは民主的かな。向こうは落としどころが酷いというところが違うかも。

結果アメリカではシェアダウン、日本ではシェアアップ…ってのもなんだか。
まあ、当該会社の日本とアメリカのサービスが違うからとも言えますが。(日本の方が厚い)



永続的リンク 2007/03/28 @ 17:41
コメント: wolfy [メンバー] メール
ちなみに、日本の人口を1億3千万と仮定して、その内インフルエンザ薬投与患者数である「800万を抽出して」、タミフルの一般的な投与期間5~7日を想定した「1週間での」飛び降り自殺する人の数を2003年の厚生労働省統計から算出すると、「3.3名」ということになります。率としては非常に高いことは間違いありません。年齢幅から言っても、「インフルエンザ患者でタミフルを使用した条件下」では「特定年代で確率が高い」ことだけは言えます。

ただ、逆に言えば、日本人は毎年2500名前後(2005年は2,776人)が飛び降りで、他の事由を含めると総数で3万人以上(同約32,000人)が自ら命を絶っています。この15年で1.5倍増となっています。

そして、その問題には誰も触れたがりません。
永続的リンク 2007/03/28 @ 18:33

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